演劇のチラシデザインで気をつけたい作り方とコツを元劇団制作が紹介
演劇の公演に向けてチラシを用意したいけれど作り方がわからない。チラシデザインやサイズ、載せる情報について知りたい。そんなお悩みをお持ちの方におすすめの記事です。
元小劇団の制作をしていた筆者がスタッフ目線でチラシデザインの作り方について説明します。はじめてチラシをつくる人、チラシデザインのコツがわからない人も記事を読めばチラシをつくれます。チラシデザインのコツをおさえて、劇場に足を運んでくれるお客さんを増やしましょう。
演劇のチラシデザインは情報が大切
演劇のチラシデザインはデザインだけにこだわると失敗します。チラシを作る目的は、チラシを見た人に公演を観にきてもらうことです。どんなに魅力的なデザインでも、そのチラシに公演の日時や場所が書いてないと集客できません。演劇のチラシは、デザインと同じくらい情報のわかりやすさが必要です。
また、作品や劇団の世界観を反映したデザインにすることも大切です。お客さんはチラシのデザインから当日の舞台の様子を想像します。
チラシの雰囲気がメルヘンだったのに、舞台の内容がホラーテイストだったら、それだけで残念な気持ちになってしまいますね。劇団やサークルでありがちなのが、チラシデザインをお願いする人が劇団の作風やイメージを知らないことです。外部のチラシデザイナーにお願いするときは、劇団の情報もしっかりと共有することをおすすめします。
演劇のチラシデザインは文字数に注意
演劇のチラシは1枚の紙に公演の情報を載せる必要があります。A4サイズ、両面印刷が一般的ですが、チラシを置く劇場によってはサイズを指定してくることもあります。そのため、チラシデザインをするにあたって、文字の配置は慎重に考える必要があります。お客さんに「伝えたいこと」と、「伝えるべきこと」を事前に書き出してみましょう。
演劇のチラシに必要な情報
- 劇団名
- 公演名
- あらすじ
- キャスト紹介
- 公演日程
- 劇場名・アクセス方法
- チケット料金
- チケット購入方法
- 問い合わせ先
書き出してみると、チラシに載せる情報はたくさんあります。これらを効果的に配置しないと、お客さんは公演に興味をもってくれません。
両面印刷の場合、表面はパッと目をひくように文字を少なめにして、裏面に詳細を書くデザインがほとんどです。まずは手にとってもらうインパクト、次に詳細を確認してもらう丁寧さが集客につながるチラシデザインだと考えます。
演劇のチラシデザインのポイントとコツ
チラシデザインにはポイントとコツがあります。劇場ロビーにいくと、たくさんのチラシが並んでいます。
その中でも多くの人が持ち帰るチラシと、ほとんどの人が素通りするチラシがあります。ここでは、多くの人が手にとるチラシデザインのポイントとコツについて紹介します。
チラシのサイズ
演劇のチラシのサイズはA4が一般的です。中にはポストカードサイズや三つ折りサイズのチラシもあります。大きさを変えるだけでインパクトを与えることができるので場合によっては効果的ですね。
小劇場の中には、大きなチラシを好まない場所もありました。A4は二つ折りにすれば置いてもらえるということもありました。チラシの活用方法や情報量でサイズを検討するのがおすすめです。
表面のデザイン
両面印刷の場合、表面のデザインはとにかくインパクトが大切です。パッと目をひくデザインなだけでなく、そのデザインを見るだけで公演の内容が想像できることが大切です。たとえば、SF作品を上映するのであれば、宇宙を連想させるデザインにするなどの工夫が必要です。
個人的には、表面のデザインに出演者の顔写真を載せるのはおすすめしません。顔写真で集客できるのは有名人だけだと考えましょう。劇団のファンに向けた公演でない限り、新規の集客にはつながりません。
裏面のデザイン
チラシの裏面は公演の情報がメインになります。ここで気をつけたいのは、情報を詰め込みすぎないことです。枠線や罫線を上手に使ったり、地図や写真を使用したりしてバランスよく配置しましょう。日ごろから演劇公演のチラシを見ておくと参考にできますね。
演劇のチラシデザインの致命的なミス
人間がおこなう作業なので仕方がない話ですが、演劇のチラシデザインは記載もれや誤字脱字が致命的なミスにつながります。
過去に公演日程に誤りを発見した時は絶望的な気持ちになりました。制作スタッフ総出で500枚近くのチラシを手書きで修正しました。なんとか事なきを得ましたが、二度と経験したくない作業です。
チラシの準備ができたら、必ず間違いがあると思いながら確認しましょう。人間の目は慣れてしまうので、できるだけ複数人でチェックすることをおすすめします。
チラシの見直しポイント
- 誤字脱字がないか
- キャストやスタッフの名前の表記に間違いがないか(芸名の人は本名になっていないかの確認も)
- 公演日程に間違いや抜けはないか
- チケット発売日や、料金はあっているか
- 連絡先の間違いはないか
- QRコードを使用した場合はリンク先が正しいか
確認に関しては、とにかく念入りにおこないましょう。訂正や修正があるチラシは、あまりいい印象を与えません。公演の信頼につながると考えておきましょう。
まとめ 演劇のチラシデザインは公演の顔になる
演劇のチラシデザインの作り方についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
演劇のチラシは公演に足を運んでくれるお客さんを増やすために作成します。そのため、デザインはインパクトだけでなく公演のイメージとあったものである必要があります。チラシに載せる情報は多すぎても少なすぎても不親切になってしまいます。チラシのサイズにあわせて内容を調節しましょう。ただし、内容に誤りがあると公演の信頼性を損なう可能性があります。演劇のチラシデザインは公演の顔になるということを忘れずに作成できるといいですね。
(文・制作さん)